富士山での感情の解放

まだ梅雨は明けていないですが、夏山シーズンの到来ですね。

私は登山が好きなので、これから秋口まで楽しみです。富士山は最も人気のスポットですね。登山はしたことがなくても富士山だけは行きたいという方は沢山いらっしゃいます。昨年、山頂の鳥居付近で崩落があり、開山日の7月1日には一部通行禁止となっていましたが、最近全面開通になったようで良かったです。

 

写真は、去年の富士山閉山後に山仲間で登った時のものです。今日は、その時に起きた感情の解放のお話しを。男性2名、女性4名の山仲間で行きましたが、その中の一人の女性に起きた出来事です。

 

富士山は、ご存知の通り3000m以上の高山です。文字通り、高山病が起きやすくなります。主な症状は頭痛、吐き気、目まい、高い心拍数などです。その方の弱いところに症状が起きやすくなる傾向です。最初に男性のうち1名の方が症状を訴えました。私はその方にボディートークのテクニックの「大脳皮質」をし、サプリメントを飲んで貰って様子を伺っていました。少し落ち着いたみたいで安心しました。

 

しかしながら標高が高くなるにつれ、私を含めた他のメンバーにも段々と症状が現れました。私は数日前から高山病対策に血流を良くするサプリメントを摂取し、アルコールの摂取はストップ、睡眠をしっかりとるように気を付けていました。でもなってしまう時はなってしまうんですね...。みんなで登頂は果たしたい!自分自身の状態を保つと同時に、これはみんなにもそれぞれ自分で大脳皮質をやって貰うのが良いかもしれないと、休憩時にレクチャーをしました。

 

一人の女性をモデルにし、まず、大脳皮質をするとどんな効果が表れるかをみんなに確認して貰うことにしました。この女性こそ、後ほど感情解放が起きる人物となったのです。首の可動域の変化がわかりやすいので、まず大脳皮質をやる前のものを確認、大脳皮質をやり、その後の変化も、その女性を含めた全員に確認して貰いました。そうしましたら...。

 

やった直後にその女性はとても具合が悪くなってしまったのです。正直、私も一瞬驚きました。あまりに直ぐだったので。みんなも心配そうに見ています。ご説明しますと、大脳皮質のテクニックの主な効果は、各所の痛みの緩和、リラックス効果、脳のパニック症状を抑えることなどです。しかしながら、心身共にオーバーヒートしていて、神経もずっとオンの状態、いわゆるオフにした方が良い時などは、その時の状態に必要な変化が起こります。この時の女性は、休んだ方が良かったのかもしれません。その旨をお伝えし、でも初めての経験でこのような状態を招いたことに対して謝罪しました。普段からとても良い方で、「大丈夫だよ~。」と言って下さいました。

 

そして女性は、どうしても登頂を果たしたいと、荷物を男性に持って貰い(私もどんどん心拍数が上がり、結局持って貰いました...。)、山頂に向けて足を運んで行きました。女性は、涙を流しながら、苦しそうでした。そして、6名中、4名が高山病になりながらも、全員無事登頂を果たしました!とても嬉しかったです。

 

高山病は、標高が下がれば下がるほど、症状は軽くなります。下山途中でみんなも落ち着いた頃、私は女性に改めて謝罪をしました。女性は言いました。「なるべくして、(具合が悪く)なったんだよ。」私はこの言葉に感動しました。

 

次の日女性に会った時に、私は泣いていた理由を聞きました。そうしましたら。前の年にご主人をガンで亡くされていたとのこと。ご主人の最期は、呼吸困難で大変苦しそうで、あっという間に亡くなってしまったそうです。女性自身、富士山登山中に呼吸困難になり、その時のご主人の気持ちがやっとわかったと。そして涙が止まらなくなってしまったということです。涙を流すことは感情解放の素晴らしいツールです。女性がご自身で発言した通り、「なるべくして」解放が進んだのでしょう。

 

私達が登ったのは富士山閉山後の9月12日。翌週にはお彼岸が控えていました。天界に近い富士山。もしかしたらご主人が女性のすぐ側にいたのかもしれませんね。